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2022/09/08

<インタビュー特集>馬産地・浦河町で実現できる “親子ワーケーション” のカタチ

日高地方に位置する浦河(うらかわ)町では、国内でも有数の軽種馬産地として、「馬」を活用した国内でも珍しいワーケーション―「馬と人 ここにしかない癒し」―を展開しています。今回は浦河町役場でワーケーション業務を担当する商工観光課移住交流テレワーク誘致推進室の 光本 建彦 さん、谷口 亮介 さん に馬産地ならではの体験プログラム・滞在施設や、今年度から町内認定こども園と連携して取り組む親子向けワーケーションの取組について伺いました。

目次

● “馬” を活用した独自のワーケーション
●認定こども園と連携した親子向けワーケーションの受入体制を構築
●担当コーディネーターによる徹底サポート

●北海道初心者の方から “マニア” な方まで魅力がたっぷり

“馬” を活用した独自のワーケーション

はじめに浦河町内のテレワーク環境について教えてもらえますか。

光本氏 : 令和2年度からポータルサイト「ワーケーション・テレワーク in 北海道うらかわ町」を開設し、テレワーク施設・宿泊施設や体験プログラムなどの情報を発信しています。また、ハード面では、既存施設の改修を含めて町内6か所にワークスペースを整備してきました。オフィスのような作業スペースだけでなく、銭湯やラーメン屋と併設するゲストハウスや、古い畳屋をリノベーションした施設など、町の人と交流できる施設が特徴ですね。
 昨年度は観光庁の補助事業を活用したモニターを含め、27組・43名の方(※町把握分に限る)に来ていただきました。テレワーク・ワーケーションの滞在プランの必要性や、デスク・椅子の改善点を指摘いただくなどの細かい部分も含め、私たちが気が付かないところまで具体的なアドバイスをいただくことができました。

東京から浦河町までは新千歳空港を経由し、レンタカーを使用してさらに約3時間かかります。全国各地で企業や人材の誘致が進む中でどのように差別化を図っていこうと考えていますか。

光本氏 : 私たちが提供できるコンテンツは「馬」です。国内有数の馬産地で、これまでシンザンやメジロマックイーンなど、数多くのサラブレッドを輩出してきました。現在も町内に約200の牧場があり、3,000頭以上のサラブレッドが飼育されています。馬を前面に出し、特徴的なワーケーションを展開していくことで、差別化を図っていこうと考えています。

谷口氏 : 浦河らしさでいえば、厩舎を活用したワークスペース(「優駿ビレッジアエル 再現厩舎」)もおすすめです。引退した功労馬たちが過ごす再現厩舎内にあり、馬の “におい” や “嘶き(いななき)” を感じられるため、全国的にも希少だと思います。

▲浦河町商工観光課移住交流テレワーク誘致推進室 室長 光本 建彦

認定こども園と連携した親子向けワーケーションの受入体制を構築

今年4月からワーケーション滞在中の子どもの一時預かりを開始したと伺いました。小さなお子さんがいる家庭であれば訪問地を選ぶ際の重要な要素になりますよね。

光本氏 : 認定こども園「浦河フレンド森のようちえん」と連携し、家族での里帰りやワーケーション滞在中にお子さんの一時預かりプログラムを開始しました。背後に森林が広がる園舎でのびのびと遊ぶことができ、野草探しや薪割りなどの季節ごとの自然体験も提供しています。すでに4組にご利用いただき、利用された方からは、都会を離れて北海道ならではの自然体験ができることや、テレワーク中にお子さまをお預かりできることなどを高く評価していただき、私たちも手ごたえを感じています。

※対象は1歳~就学前までとなります。なお、1歳でも一人歩きができない場合は受入できませんので、ご了承ください。
※小学生は平日13:00~18:00(長期休み期間のみ08:00~18:00)に受入可能です。

▲浦河フレンド森のようちえん(内観)

——これまで受け入れた中で印象的なシーンはありますか。

谷口氏 : 首都圏からお子さんと一緒に3名で参加されたご家族が「馬」や「自然」に感動している様子ですね。乗馬中に馬と触れ合っている笑顔もですが、『子どもが楽しそうに全力で走り回っている姿を久々に見た』という感想が印象的です。
 また、昨年度のモニター事業で来られたご家族からは、滞在中に海水浴場で貝殻やシーグラスを拾ったことが印象的だったというお話を聞き、私たちもびっくりしました。私たちからすると「海」は当たり前にあるものですが、体験の一つになると感じさせられた場面です。それ以来、既存の観光プログラムに囚われないガイドも大切だと思いながらコーディネートを行っています。

担当コーディネーターによる徹底サポート

——道外からの訪問者が多いと伺いましたが、土地勘のない方にとって地元のコーディネーターは特に必要ですよね。

谷口氏 : 現在は私たちがコーディネーターを担当しています。初日におすすめの飲食店やスーパー、観光名所などを1~2時間かけて町内案内しています。小さな町なのでワークスペースも複数見ていただき、気に入ったところでテレワークしてもらうようにしています。また、ご要望があれば地域の方々との交流の場を設定したり、地域イベントのご案内をさせていただいています。

——ワーケーションに興味をもったら、どのように申し込みすればよいでしょうか。

谷口氏 : 電話やポータルサイトの専用フォームから、訪問日時や人数などをお知らせください。具体的な内容が決まっていない場合でも、まずはお気軽にご相談していただければ、体験プログラムや滞在施設の情報などを提供させていただき、オーダーメイドでのプランを作成します。

光本氏 : 町内にある2つの宿泊施設では、宿泊施設とワークスペースの利用がセットになったお得なプランを提供しています。3泊4日からのプランや、1か月間の長期滞在が可能なプランもありますし、1週間以上の滞在を希望される場合には、町内に15か所ある生活体験住宅も利用可能です(※家具・家電付き/寝具は別途持ち込みまたはレンタルが必要/生活体験住宅のかずは取材日現在の数となります)。

▲浦河町商工観光課移住交流テレワーク誘致推進室 移住交流推進係長 谷口 亮介 氏

北海道初心者の方から “マニア” な方まで魅力がたっぷり

——これからの季節で浦河町の魅力を教えてもらえますか。

光本氏 : 浦河町は正面に太平洋、背後を山々に囲まれた自然豊かな地域です。7~10月の間は日高昆布の収穫作業が行われ、町内の店舗などで購入できます。これからの時期は美しい紅葉が見れ、漁業ではサケが旬の季節になるので、イクラ丼などの新鮮な魚介が味わえますよ。

谷口氏 : 乗馬やトレッキングは年間通してお楽しみいただけますが、特に秋は紅葉を楽しみながら駆け回ることができるほか、一面の銀世界を楽しめる冬も圧巻ですね。また、11~1月限定にはなりますが、オオワシやオジロワシを見られるツアーもあります。

▲乗馬体験プログラム

——最後に、北海道でのワーケーションを検討されている方にぜひメッセージをお願いします。

光本氏 : 浦河の夏は涼しく、冬は道内でも比較的温暖で雪も少ない地域です。「馬が好き」、「馬と触れ合いたい」という方だけでなく、北海道暮らし初心者の方にもおすすめです。私は今年3月まで札幌に住んでいましたが、浦河に来てみると快適な気候で驚きますし、道外の方だけでなく札幌在住の方にもトライしてほしいですね。

谷口氏 : テレビで見たことがあるサラブレッドはもちろん、私たちは3,000頭以上の馬と一緒に暮らしています。「生き物が好き」、「アウトドア好き」というファミリーに来ていただきたいですね。「馬」「海」「山」というキーワードでピンと来たあなたこそ浦河町にぴったりです!

北海道庁では、ご希望の内容に応じた道内での実施プランをコーディネートしています。「まずは話を聞いてみたい」「費用感を教えてほしい」など、ワーケーション実施にご関心がある方は、ワンストップ窓口までお気軽にお問い合わせください。

北海道型ワーケーション インタビュー連載

#1 公開中 | 「北海道庁ワーケーション事業担当者が語る 市町村と “共に創る” ワーケーションとは」(北海道庁)
#2 公開中 | 「長沼町が『ワーケーション×チームビルディング創生事業』に取り組む本当の狙い」(長沼町)

#3 公開中 | 「函館市企業立地担当が見据える “ワーケーションの先” とは」(函館市)
#4 本記事 | 「馬産地・浦河町で実現できる “親子ワーケーション” のカタチ」(浦河町)