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2022/05/09

北海道庁ワーケーション事業担当者が語る 市町村と “共に創る” ワーケーションとは

北海道では、今年度も「北海道型ワーケーション普及・展開事業」に取り組み、道内市町村や関連団体などと連携しながら、 “北海道でワーケーションを実施したい方” と “受入を進める道内市町村” とのマッチング、滞在プランのコーディネートなどを実施しています。今回は北海道総合政策部地域創生局地域政策課でワーケーション事業を担当する 林 正紀 さん、岡田 悠生 さんに、北海道型ワーケーションプログラムの概要や特徴、市町村と “共に創る” 実施プランコーディネートについて伺いました。

目次

●ワーケーション取組の経緯
●市町村と “つながる” マッチングサポート

●「北海道とつながりたい」―そうした方をお待ちしています

ワーケーション取組の経緯

——これまでの取組について教えてください。

岡田氏 : 北海道では、令和元年度からワーケーションの推進に取り組み、今年度で4年目となります。当初は首都圏企業を対象としたモデルツアーやニーズ調査を実施したほか、令和2年度には各種お問い合わせに対するワンストップ窓口として「北海道型ワーケーションポータルサイト」を作成しました。昨年度は道内68市町村と連携したワーケーション関連コンテンツ(滞在施設/体験プログラム/出会える「人・企業」/助成制度など)の拡充や、実施プランの作成を行い、 “北海道ならではのワーケーション” のPRを行ってきました。

——約70自治体と連携とはすごいですね。広域連携だとどのようなメリットがあるでしょうか。

林氏 : 参加される方は、市町村といった “行政区分” はあまり意識されません。エリアに縛られず、参加者の方が満足いただけるワーケーションプランをご提案することが大切と考えています。また、北海道は都道府県の中で自治体数が最も多く、北海道全体で179つの自治体があります。つまり、 “地域ならではの魅力” が179個存在しているといえます。道内市町村と連携しながら多様な実施ニーズに応え、ワーケーションでの訪問を通じて北海道を知るきっかけにしていただきたいと考えています。

▲北海道総合政策部地域創生局地域政策課 主査 林 正紀 氏

市町村と “つながる” マッチングサポート

——これまでの実績について教えてください。

岡田氏 : 昨年度からは、北海道でワーケーションを実施したい企業や個人の方と、ワーケーションの受入を進める市町村とのマッチング支援に力を入れています。新型コロナウイルス感染の影響拡大などもあるなか、年間を通じて15社・約100名に来ていただくことができました(※道把握分に限る)。訪問いただいた企業には、将来的なサテライトオフィス開設を視野に入れた方や、市町村と連携して新規ビジネス創出を目指すなど、継続したつながりを希望される方もいらっしゃいます。また、受け入れる市町村側も、ワーケーションで訪問された方との交流を地域課題の解決に結びつけたいと考えており、そうした双方の想いが合致した新たな取り組みも生まれ始めていることから、観光を目的とした訪問とは異なる、ワーケーションならではの成果と感じています。

▲北海道総合政策部地域創生局地域政策課 主任 岡田 悠生 氏

——北海道でワーケーションに関心をもったら、どのようにすればよいでしょうか。

岡田氏 : まずはポータルサイト内に設置したお問い合わせフォームからご連絡をお願いします。民間事業者にコーディネーター業務を委託していますので、担当コーディネーターが実施ニーズを聞き取りのうえ、ニーズに応じた実施プランを提案させていただきます。プラン案作成にあたっては市町村担当者と連携し、 “地域とつながる” ワーケーションをご提案します。

——全国的にみても行政の方がコーディネーターとして関わる事例は少ないように思います。

林氏 : 民間事業者が主導することでスピード感ある対応ができると思いますが、北海道ではそれに加えて受入市町村担当者とタッグを組むことにより、地域と関わるポイントを創出しています。例えば、企業の方が新たなビジネスチャンスの探索を目的として北海道へ訪問した場合、どうしても民間事業者の方だけでは対応することが難しい場面が出てきてしまいます。官民連携体制でワーケーションに取り組むことにより、そうした場合には行政とのマッチングやワークショップ開催などもご提案できるのが北海道型ワーケーションの特徴であり、強みだと思います。
 ちょうど今月、首都圏企業の社員が1週間ほど道内に滞在し、ワーケーションを体験しながら、自治体職員など地域の関係者とのディスカッションを行う予定です。ポータルサイト上でもその模様をレポートしますので、これからワーケーションを検討している方には、ぜひ見ていただきたいです。

「北海道とつながりたい」—そうした方をお待ちしています

——北海道でのワーケーションを検討されている方にぜひメッセージをお願いします。

岡田氏 : 北海道庁では、北海道で快適にワーケーションを実施していただけるよう、市町村と連携した実施プランの作成やコーディネートなど、皆さまの実施サポートをさせていただきます。また、関係企業・団体なども含めたオール北海道での強力なバックアップ体制を準備しています。ぜひこの仕組みをうまく活用し、各企業で抱える課題解決や目標達成のツールとして北海道でのワーケーション実施を検討していただきたいです。

林氏 : 参加される方にとっては、訪問する地域と “つながり” 、ワーケーション実施による新たな成果が “生まれる” きっかけになると考えています。すでに北海道に訪問したことがあり、愛着をもっていただいている方だけでなく、これまで訪問したことがなく、これをきっかけに北海道と関わりをもちたいと考えている方もぜひお待ちしています。

北海道型ワーケーションポータルサイトには、好みの条件から訪問市町村やプランを絞り込み検索できる機能や、ワーケーション訪問時に活用できるお得なモデルツアー情報やインセンティブ情報が掲載されています。まずはポータルサイトをご覧いただき、相談や申込みについてもワンストップ窓口までお気軽にお問い合わせください。

北海道型ワーケーション インタビュー連載

#1 本記事 | 「北海道庁ワーケーション事業担当者が語る 市町村と “共に創る” ワーケーションとは」(北海道庁)
#2 公開中 | 「長沼町が『ワーケーション×チームビルディング創生事業』に取り組む本当の狙い」(長沼町)

#3 公開中 | 「函館市企業立地担当が見据える “ワーケーションの先” とは」(函館市)