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2022/09/22

<アイデアソン特集>十勝・帯広の優位性を活かした “ワーケーション” のあくなき追及

北海道の東部、十勝地方に位置する帯広(おびひろ)市は、農業など一次産業を主要産業とする十勝地方の中心都市です。今回のアイデアソンでは、十勝・帯広の特徴や優位性を活かし、「今後、帯広市が強化あるいは取り組むべきワーケーションの方向性」について議論します。帯広市役所でワーケーション業務を担当する経済部観光交流室観光交流課の 大宮 悠汰さん、株式会社デスティネーション十勝(※)の 佐藤 洸さん にテーマを設定した背景や狙い、アイデアソン実施に向けた熱い想いなどについて伺いました。

※2017年に設立した、十勝19市町村のアウトドア観光マネジメント活動を実施する地域連携DMO。

目次

● 中核都市でありながら自然環境にも恵まれている地域
● テレワークの浸透で失われたものの回復につなげたい
● 地域の資源を活かしたアウトドア型ワーケーションの可能性

● 帯広市の将来の絵姿を参加者と一緒に描きたい

中核都市でありながら自然環境にも恵まれている地域

はじめに帯広市の特徴について教えてもらえますか。

大宮氏 : 帯広市はJRの駅、空港もある十勝地方の中心都市です。自然環境にも恵まれており、郊外に出かければ一面豊かな緑のなか、背景に壮大な山脈が連なる風景が広がります。週末には家族みんなでアウトドアだけでなく、まちなかでショッピングや映画を楽しんだりと、自然と都市がコンパクトに程よく調和した、魅力的で住みやすい地域と感じています。

都会でありながら自然環境も豊かというのは魅力的ですね。

佐藤氏 : キャンプやサイクリング、アウトドアアクティビティも盛んで、観光スポットを楽しんだ後は、まちなかで「モール温泉」に浸かることもできます。また十勝産の良質な素材が集まる帯広では、おいしい食とスイーツが楽しめますよ。

テレワークの浸透で失われたものの回復につなげたい

今回のテーマは「今後、帯広市が強化あるいは取り組むべきワーケーションの方向性」とあります。そのように設定した背景や狙いはどのような点にあるのでしょうか。

大宮氏 : 帯広市では、近隣のキャンプ場を活かした「ビジネスキャンプ」を核にしたワーケーションをこれまで展開してきました。今回のアイデアソンでは、ビジネスキャンプにこだわらず、帯広におけるワーケーションの可能性について議論したいと考えています。

どうしてビジネスキャンプに注目されたのでしょうか。

佐藤氏 : ここ数年はコロナ禍でテレワークが普及し、どこでも仕事ができるようになった点では便利になったと言える一方で、社員同士のコミュニケーション不足が指摘されていますが、アウトドアを通してその課題を解決できるのでないかと考えました。自然の中では、同じ職場の関係を越えた社員同士の絆が深まります。例えばテントやタープの設営は最高の共同作業ですし、社員同士のコミュニケーションを親密化し、一人ひとりの距離を一気に近づけてくれると感じています。

▲気持ちのいい青空のもとで思いがけないクリエイティブな発想が生まれ、メンバーの思いがけない一面もみられる

地域の資源を活かしたアウトドア型ワーケーションの可能性

——行政にとってワーケーションを推進する目的はどこにあるのでしょうか。

大宮氏 : 現在、各地でワーケーションが盛んになっていますが、帯広市ではアウトドア系のコンテンツを核にしたワーケーションを強化し、帯広のファンになってくれる関係人口の獲得を通じて今後の街づくりに活かしていきたいと考えています。

“アウトドア系コンテンツの拡充” がキーワードとなりますが、どのような視点で今回のプログラムを作成されたのでしょうか。

大宮氏 : アウトドア型ワーケーションでは、「合宿型」「研修型」の色合いが強くなります。そこで、ビジネスキャンプ体験をあえて初日に置き、参加される方とのアイスブレイクやチームビルディングにつなげたいと考えています。そのほか十勝では「サウナ」も盛んで、サウナを活かした地域活性化を考える「十勝サウナ協議会」という組織も結成されており、プログラム内ではフィンランド式サウナも体験していただく予定です。もちろん、今回のアイデアソンでは、地域のキーパーソンとのディスカッションの場もセッティングしています。

佐藤氏 : 3泊4日のプログラムを通じて帯広にどっぷり浸かっていただき、私たちが目指すアウトドア観光、アウトドア型ワーケーションの可能性、そして近年ブームとなっているサウナを活かした地域活性化の可能性なども一緒に議論していきたいです。

▲十勝初のフィンランド式ロウリュを導入/モール温泉を使用した「ロウリュ(モーリュ)」など、ここだけのサウナ体験を提供

帯広市の将来の絵姿を参加者と一緒に描きたい

——最後に、帯広市でのアイデアソンに参加を検討されている方にぜひメッセージをお願いします。

大宮氏 : 私たちはアウトドア系のワーケーションに強い期待を持っています。一緒に帯広市の未来について考えていただける方にぜひ参加していただきたいと思います。

佐藤氏 : 将来はインバウンドの誘致も視野に、地元企業との交流や新たなビジネス創出などにも結び付けられればと考えていますが、内部のみの検討では限界があります。私も皆さんと一緒にキャンプ場で寝泊まりします。ぜひ今回のアイデアソンに参加していただき、外部の方のご意見、ご提案を頂きたいと考えています。

地域課題解決型アイデアソン インタビュー連載

#1 帯広市 | 「十勝・帯広の優位性を活かした “ワーケーション” のあくなき追及」
#2 富良野市 | 「富良野市 “ゼロカーボンシティ” への挑戦」
#3 今金町 | 「『何もないから何でもある』へ—今金町 “ゼロから始める観光振興”」
#4 長沼町 | 「新千歳空港からわずか30分・長沼町が目指す “シン・長沼ワーケーション”」
#5 上川町 | 「観光リゾート地・上川町で実現したい “滞在型観光のカタチ”