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2022/09/22

<アイデアソン特集>観光リゾート地・上川町で実現したい “滞在型観光のカタチ”

北海道の北部、上川地方に位置する上川(かみかわ)町は、大雪山国立公園や北海道有数の温泉街である層雲峡温泉など、豊かな自然環境に恵まれたエリアにあります。今回のアイデアソンでは、アウトドアや温泉、酒蔵など、地域で核となる施設を視察しながら、「通過型観光から滞在型観光へのシフトに向けた方策」について議論します。上川町役場でワーケーション業務を担当する地域魅力創造課の 松原 航平さん にテーマを設定した背景や狙い、アイデアソン実施に向けた熱い想いなどについて伺いました。

目次

● 大雪山連峰が広がる自然豊かなエリア
● 観光の平準化、雇用の通年化を目指した滞在型観光へのシフト
● 明日からの観光振興の在り方を一緒に議論したい

● 上川町と関わりがなかった方こそ訪問のチャンス

大雪山連峰が広がる自然豊かなエリア

はじめに上川町の特徴について教えてもらえますか。

松原氏 : 北海道のほぼ中心部に位置する、人口約3,500人のまちです。国立公園である大雪山連峰や北海道有数の温泉街である層雲峡(そううんきょう)温泉など、豊かな自然環境に恵まれています。9月には日本で最も早いと言われる紅葉が始まり、多くの観光客の方が訪れます。その分降雪も早いので、アイデアソンの時期(※10/18~10/21)にはすでに雪が降っているかもしれませんね。

豊かな自然環境が特徴ですが、どのようなコンテンツがあるのでしょうか。

松原氏 : 大雪山はもちろん、自然豊かな景観やグルメが特徴です。キャンプや登山、スキーだけでなく、一級河川である石狩川を巡るラフティングや珍しいものだと犬ぞりなど、多くのアクティビティが充実しています。

▲大雪山・層雲峡の黒岳ロープウェイは雲海と出会える幻想体験を提供

観光の平準化、雇用の通年化を目指した滞在型観光へのシフト

今回のテーマは「通過型観光から滞在型観光へのシフトに向けた方策」とあります。そのように設定した背景や狙いはどのような点にあるのでしょうか。

松原氏 : 民間事業者の方の立場でいうと、特に層雲峡温泉エリアでは、旅行者の需要が団体旅行中心から個人旅へとシフトしていくなかで、レジャーコンテンツの充実や泊食分離、食事メニューの充実などに取り組んでいかなければ訪問地として選ばれなくなるという危機感がありました。また、上川町では年間の観光のうち、7月、9月、2月に宿泊客が集中する傾向があり、他の閑散期との差を縮小し、宿泊施設稼働の平準化や雇用の通年化を図っていきたいという意向もありました。

松原さんは行政という立場でどのようなことに取り組んできたのでしょうか。

松原氏 : 平成30年に滞在型観光の実現を目指し、上川町版DMOである「大雪山ツアーズ株式会社」を設立しました。北海道らしさを実感できる大雪山を軸に、登山やトレッキングなどのアクティビティや、歴史ある温泉郷や視界いっぱいに広がる高原、ガーデンを活かした多彩で質の高いコンテンツを造成してきました。また、人口4,000人にも満たない小さな町ですが、有名アウトドアメーカーの専門ショップ&カフェ、有名シェフによる高級レストランなどの施設も立地し、着実に取組成果が出てきたと感じています。

明日からの観光振興の在り方を一緒に議論したい

——募集チラシにプログラムが記載されていますね。どのような視点でプログラムを作成されたのでしょうか。

松原氏 : モニターツアー実施などを通じて既存コンテンツの磨き上げに取り組んできました。しかし、Wi-Fi環境の整備はもちろん、2次交通の問題や訪問者向けの情報発信(「どこへ行けばいいかわからない」「パンフレットはあるが、SNSでの情報発信が不十分」)など、解決すべき課題はまだまだ山積しています。今回のアイデアソンに参加される方には、イチオシのコンテンツを実際に体験していただき、セールスやマーケティングなどに向けても広く改善案をいただくなど、今後の観光振興の在り方について一緒に議論したいと考えています。

——3泊4日のプログラムについてはどうでしょうか。

松原氏 : 初日はオートキャンプ場泊としていますが、テントでなくコテージにお泊まりいただく予定です。アウトドアの初心者の方にとって、いきなりキャンプ場での宿泊はハードルが高いと思われるかもしれませんが、上川では初心者でも安心して泊まれるキャンプ場ということをアピールしたいと考えています。参加される方にもぜひ体験いただきたいポイントですね。

▲週末移住をコンセプトにしたコテージは、木のぬくもりを感じるおしゃれな外観と、広々とした室内が特徴

上川町と関わりがなかった方こそ訪問のチャンス

——最後に、上川町でのアイデアソンに参加を検討されている方にぜひメッセージをお願いします。

松原氏 : 近年ではIT企業を中心に少しずつ繋がりができてきましたが、幅広い業種の方との連携関係を構築したいと考えています。特にこれまで関わりが少なかった若い世代の方や女性の方には、この機会を活用いただき、私たちの地域に一度足を運んでいただきたいです。YouTubeに「DISCOVER 大雪」というチャンネルを開設し、私たちの地域の情報発信を行っていますので、少しでも興味を持っていただいた方はまずそちらをご覧ください!

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#2 富良野市 | 「富良野市 “ゼロカーボンシティ” への挑戦」
#3 今金町 | 「『何もないから何でもある』へ—今金町 “ゼロから始める観光振興”」
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#5 上川町 | 「観光リゾート地・上川町で実現したい “滞在型観光のカタチ”